来週の相場

来週4月22日-4月26日週の為替相場は、リスク選好による円安や円高抑制、全般的なドルの底堅さ、ドル底堅さと裏表のスイス・フラン、NZドル、ユーロ、ポンドなどの戻り売り圧力といった前週までの流れについて、持続性と反動揺り戻しをにらんだ展開が想定されよう。


日本市場では来週末の27日から10連休入りとなる。来週の連休入り前には、連休中の円高・ドル安などへの仕掛け対策として、未然にポジション手仕舞い的な円買い戻しやドル売り戻しが入るか否かが注視されそうだ。

さらに為替需給では来週の連休入り前にかけて、日本の輸出企業による前倒し的なドル売り手当ての消化が注目されやすい。ドルの上値抑制やドル安要因となるものだ。

その反面、5月7日の連休明け後にかけては、休み中に持ち越された輸入企業や金融機関、個人関連によるドル買いなどの外貨買い決済手当てが累増。連休明け後の10時仲値決済などで、一気に手当てが集中するという、ドル高などの外貨高(円安)加速余地にも注意を要しよう。


ドル/円の週足テクニカルでは、ドルの下値メドとして一目均衡表の雲上限111.91円前後、4週移動平均線111.61円前後、40週移動平均線111.46円前後、52週移動平均線111.13円前後、転換線110.94円前後、13週移動平均線110.86円前後などが意識される。

週足の雲上限は、先行き6月にかけて112.40円方向に切り上がっている。その後は7月にかけて109.50円方向に急角度で切り下がっているが、当座は雲上限の形状に沿う形でのドル上昇、その後にドル急反落という乱高下シナリオは警戒されそうだ。


クロス/円の日足テクニカルでは、来週以降に上下動を経ながらも一目均衡表の雲上限を上抜け維持できるか。あるいは完全に割り込んで、雲の下限や下限割れ方向を試しに行くかの重要攻防が散見されている。具体的には、ユーロ/円、ポンド/円、カナダ・ドル/円などが、そうした正念場に直面してきた。


すでにNZドル/円やスイス・フラン/円は、先行して雲上限を割り込んでいる。こうした通貨が雲下限などで下げ止まるか。あるいは雲下限を完全に割り込む下落オーバーシュートとなるかも、「他のクロス円の先行指標」として注視されそうだ。

一方で豪ドル/円は、前週までに戻り売りに押されながらも底堅さを維持させた。来週以降は日足・一目均衡表の転換線を維持できるか。あるいは完全に割り込んで、基準線や雲の上限方向を目指す下押しとなるかの攻防が想定される。


来週の注目材料としては、米国の経済指標がある。最新の3-4月分に関しては、金利低下や株高、過度な貿易摩擦懸念の緩和などによる持ち直しが注目されやすい。

同時進行で来週の米国株市場では、決算発表が本格化していく。ITハイテク関連企業を始めとして、過度な減速懸念が一服となれば、「当座の最悪期通過」期待へと作用。米国の株高とリスク選好による円安が支援される。

反対に根深い減速の度合いや、先行きの復調見通しが失望に終わると、米国株は過去最高値接近に対する高値警戒感とあいまって、調整株安のリスクをはらむ。その場合はドル/円、クロス円で、リスク回避の円高圧力が掛かりそうだ。


日本市場では来週24-25日、日銀の金融政策決定会合が開催される。27日以降の10連休中における円高加速リスクや、その場合の連休明け株価急落に備え、「先行きの追加緩和のオプション」を強調するメッセージがあれば円安と株高が支援されやすい。

反対に連休「危機管理策」としてのメッセージが弱ければ、改めて連休中の円高仕掛けに対する警戒感が増大。ドルなどの外貨買いが尻込み減退し、連休波乱に向けて先回り的な外貨売りや円買いの仕込みが増加する余地も残されている。


その他、来週については、豪ドルの戻り売り圧力と押し目買いニーズが交錯するなか、豪州の経済指標が注目されそうだ。豪州の指標は強弱混在の「まだら模様」が続いており、日々の指標で一喜一憂の上下動継続が意識されそうだ。

さらに底なし沼の通貨安圧力が続くトルコでは、来週の経済指標や中銀会合などが注目される。

また、前週に対ドルで2017年以来の安値を更新してきたスイス・フランに関しては、26日のスイス中銀総裁講演や、世界的なリスク選好相場の持続性などが焦点になる(スイス・フランは安全逃避通貨であり、リスク選好で下落、リスク回避で上昇の傾向)。